こちらのページにもあるように、
もともと野底山のモリアオガエルは、山奥の沼に多数繁殖しているのが見つかり、研究者による調査が行われ、
沼が県の天然記念物に指定されました。
この沼は、森林公園のエリア外、林道のゲートを越え、山奥へ車でしばらく行ったところにあるのですが、
そちらでももちろん、現在、産卵が進んでいます。
![野底山池の平 モリアオガエルの繁殖地](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=480x1024:format=jpg/path/s6ee89b197c95b900/image/id3be787ea2606d0c/version/1339560845/%E9%87%8E%E5%BA%95%E5%B1%B1%E6%B1%A0%E3%81%AE%E5%B9%B3-%E3%83%A2%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%AA%E3%82%AC%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%81%AE%E7%B9%81%E6%AE%96%E5%9C%B0.jpg)
人里離れた野底山池の平にあるこの沼は、もう、完全に生き物たちの世界です。
耳に入ってくるのは、鳥と蛙の鳴き声、遠くから聞こえる獣の鳴くような声、そして木々の間を渡る風の音。
それらの音が、水面にこだまするように響き、何だかわれわれ人間は、そこに佇んでいると、一体今がどんな時代なのかもわからなくなってきてしまう不思議な場所です。
今日確認したところ、現在この沼には大小8つの卵塊が木の枝々にぶら下がっています。
この沼に棲息するモリアオガエルについては、昭和7年より13年までの7年間、当時飯田中学(現飯田高校)の教師だった宮下忠義先生が、シーズンには現地に泊まり込んで研究を続け、論文を残しています。
その論文によれば、昔この沼は底無しの沼、あるいは大蛇の棲む沼と言われており、ここを訪れるものは沼の中に引きこまれるという噂があった。また、ここには妖怪が出現し、春に来ると沼畔の樹木に提灯と短冊が垂れ下がっていると言われ、誰もここへは足を踏み入れたがらなかったとのことです。
実際、宮下先生が沼畔に小屋を建て、泊まり込むのを見て、多くの人が不安がり、人夫の雇い入れに苦労したとも報告されています。
その大蛇や妖怪の棲む沼の提灯や短冊こそが、実はこのモリアオガエルの卵塊だったのです。
※「信濃教育645号 野底山を中心とせる森青蛙の研究 其四」参照
※ この沼のある池の平に続く林道を進むには、管理事務所で受付をし、ゲートの鍵を借りる必要があります。
また、林道は時に土砂災害や工事で通行止めになることもあります。
沼までの見学を希望される場合には、事前に森林公園管理事務所にご相談いただけると良いかと思います。
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